場所:倉敷市
債権者:住宅金融支援機構、大手銀行保証会社、市役所
11月になれば、少しずつ山々の色合いが変わり始め、年末を意識する。
今年も色々なことがあったが、1年忙しくさせていただけたのも全てお客様、家族、友人達、世間様のお陰じゃなぁ・・・とか、そんな事を考えていたら、事務 所に顔色の悪い中年男性が入ってきた。
『こちらは、任意売却をされていると聞いたので来たのですが、よろしいですか?』
『住宅ローンのことで問題があるんですね?』
『そうなんです。自営で商売をやっているのですが、景気が悪くて支払いが遅れています。
銀行に相談したけど、もう待てないと言われました。どうしたらいいのか教えて欲しい。』
と言うようなことであった。
色々お話を聞くに、今の時点で一番の問題は、ご主人が奥さんにこの件をまだ話していないということだ。ご主人は、真面目で人一倍責任感が強い人なので、どうしても奥さんに言えなかったようだ。
『どうしても奥さんに、住宅ローン延滞のことを伝える勇気がないのなら、私がご主人に代わって言いましょうか?』
しばらくの沈黙の後、ご主人は『やっぱり自分で言います。』と答えた。不安そうだった。
翌日、早速ご主人から電話があり、『どうなることかと思ったけど、家内はああそう分かったと言っただけで、取り乱すこともなく冷静でした。女は強いなあ。』
この案件については、ご本人より非常に強いリクエストがあった。
① どんな形であれ、この家に住み続けたい。
② とにかくこの家に住み続けたい。
さて、どうするか?思案六法するのが私の仕事。
頭が悪い僕もたまにはいい知恵出しますよ。
具体的にどうしたかは、色々と弊害があるので書けませんが、結果として前と同じ家に住んでいらっしゃるという事実はある。
様々な条件を1つずつクリアしても、1つのつまづきでダメになるが、今回は成功ということになりました。(まぁこういうケースで上手くいくのは諸条件が きっちり整って20%位かな。)
めでたし。めでたし。