場 所 :岡山市
債権者:大手サービサー、中堅サービサー、マンション管理組合
ある日の事、電話が鳴り『任意売却』の相談があった。
内容は、既に他社に任意売却を頼んでいるのだが、話が一向に前に進まず、イライラしているとのこと。
しかしながら、他社に依頼されている案件を当社が横やりを入れるのも感じが悪い。
聞くと、日本人なら誰でも知っているビッグネームの不動産会社だった。
当 方:Aさん、そちらはご存知のように日本で一番しっかりしているところですからちゃんとしてくれますよ。大丈夫、大丈夫。
Aさん:いやそれが、よく分からないんだけど、中堅のサービサーさんと話がつかないと言っているんです。
当 方:配分金額がですか?
Aさん:そうらしいんです。
当 方:まあよくあることです。
それで、いくら合わないんですか?
Aさん:10万円みたいです。自分が用意出来ればいいんだけど・・・今はないから・・・
当 方:となると、仲介業者が涙を呑んで、手数料もしくは社長のポケットマネーから出すしか出所がないですねぇ・・・
Aさん:大手の会社ですから、それは絶対に出来ないと先方に言ったきりになっているらしく、その為、先方も「それではこの話はなかったことにして下さい。競売で結構です。」
と言っているらしいのです。
注)この件では、管理費・修繕積立金・水道代も滞納があり、Aさんは任意売却でこれをきちんとしたかった。
当 方:あ~困りましたねぇ。う~ん・・・それじゃもう一度その不動産会社に話をすすめる意思があるかどうか確認してください。
もうこの仕事は出来ないということであるなら、私共で後のことは処理します。
その後、2~3日経ってから、やはり大手の自分達では、こういう案件は出来ないと正式に断りがあったそうで、当社との間で専属専任媒介契約を締結して頂いた次第である。
まもなく物件は第三者へとスムーズに売却が出来、ご本人も競売を避けることが出来てほっとしたご様子であった。
全体で帳尻が合えばいいのよと思えるのは、どんぶり勘定とはいえ、中小業者の強みであろう。