任意売却事例 離婚 住宅ローン 岡山市
有限会社大クラ不動産の平賀です。任意売却の事例です。
債権者:信用金庫
場所:岡山県岡山市
当社のホームページをご覧になってからお電話をいただきました。
その内容はこの度離婚をして、奥様は息子さんと一緒に家を出たとのことでした。
ただ、出たあとにふと、家を建てた時に連帯保証人になったことを思い出し、いてもたってもいられない心のざわつきを感じ、電話をしたとのことでした。
主人も一人きりでこんな大きな家に住むのも不経済なので、家を売って住宅ローンを返済したい意向のようでした。
このようなケースの場合、問題になることは、ただひとつ。現在の住宅ローンの残高が実勢取引相場と同じか、それ以上あるかということです。
例えば、ローン残高1500万円で、取引相場も1500万円なら売買金額を住宅ローンの返済に充てれば問題は解決です。そうではない場合、ローン残高1500万円で取引相場が1000万円のときは非常にやっかいなことになります。つまり1000万円ー1500万円=マイナス500万円。このマイナス500万円について任意売却では分割返済をしていくか、法的手続き(破産)を利用するかのどちらかの選択となります。
主人の方は破産やむなしとの意向であったが、奥様としては、主人に破産されると自分に請求がまわってくることになるわけで、どうしてもそれは回避したいとの考えでした。主人が破産やむなしと思ったのは他の不動産会社からの査定額がローン残高を下回っていたからのようです。
今回のケースではたまたま当社において同地域に住んでいる顧客がおり、金銭面についてなんとかご理解をいただいたためにローン完済という出来の良い結果となりました。このようなケースの方が正直少ないというのが現実です。
本件取引終了後すぐに奥さんに電話し、「ローン完済です。奥さんの連帯債務も全てなくなりましたよ。」と、お伝えしたときの「本当にありがとうございました。ほっとしました。」というお言葉をいただき、通常の不動産取引では感じない良い仕事ができたという達成感を得ることが出来ました。
任意売却事例 離婚に関する住宅ローン 倉敷市
有限会社大クラ不動産の平賀です。任意売却の事例をご紹介します。
債権者:都銀
地域:岡山県倉敷市
本件のスタートはご夫婦からの相談ではなく奥様のお母さまからのご相談でした。
以前にこのお母さまのご実家の田んぼの売買のお世話をしたことのご縁からお話をいただいた次第です。
母
「お恥ずかしい話なんですがこの度娘が離婚することになりました。ついてはこの子達の家の処分をお願いしたいのですが、無理をして建てたのでとても家を売っただけではローンの完済は無理だと思っています。こんな話は大クラさんにしかできないけれど、娘だけは破産させたくない。(亭主はどうなってもいい)何かいい知恵はないか」とのことでした。
私
「非常に難しいお話ではあります。ただ、一つだけ方法があるとすれば金融機関に対して、免責的債務引き受けというものがありますので、それを話し合ってみたらどうでしょうか?まだローンは遅れずに払っていますか?」
母
「ローンは遅れていないみたいです。」
私
「遅れがないうちに銀行に相談に行ってみてください。あともう一つ旦那さんの収入は家を建てた時と上がっていますか?下がっていますか?」
母
「なんでも前より給料は上がっているみたいです。給料が上がってお小遣いが増えたから遊びが増えてこんなことになったみたい。」
私
「離婚は残念ですが、上がっているなら可能性は高いと思います。早速相談してください。」
母
「すぐやってみます。もう一回その難しい用語を教えてください。」
私
「免責的債務引き受けです。」
かくしてローンの遅れがないこと。収入が上がっていないことでなんと本当に債務者はご主人だけとなった。(娘さんは住宅ローンからまぬがれました)
ただその後売却の引き受けをさせてはもらいましたが、ローン残高3800万円にたいし、売却できた金額は2600万円でした。最終的にご主人は法的手続きへと移行した任意売却の事例です。
債権者:公的金融機関 場所:中国地方
「10年前の話、時効だから書く」
人生いろいろ、任意売却もいろいろ。
長い間この仕事に携わると思いもよらないような案件にかかわることがあります。
この件は10年経ったから書こうと思います。
ただ、興味本位で書くのではなく、このようなこともあるのだと、この仕事はキレイごとばかりじゃないとご理解いただけたらと思います。
本件のご依頼はご本人からではなくご本人の身内の方からのものでした。
年末のこと、その身内がお電話をしてくれました。
「裁判所から競売申し立ての書類がきています。
敷地には2件の家があり、1軒は私と父。1軒はいま空き家で、以前は兄の家族が住んでいました。
前から所有していた敷地に兄が新築した際に住宅ローンを組んだのですが、住宅ローンの延滞のために、こんな事態になりました。」
ついては相談に乗ってほしいとのことだった。
よくあることなので日時を約束し、ご自宅に訪問することになった。
現地に到着。
私「えー。家がねぇー。いやあるけど焼け落ちとる!!」
しばし、茫然と現地を見つめ、これは参ったなと思う。
だが気を取り直し、焼け落ちた家を見ながら奥へ向かう。
玄関からすぐに妹さんが出てくる。
「びっくりしたでしょう?電話では言えなかったけどこんな無様なことなんです。
任意売却は無理ですか?
父は老いていて私も無職なのでなんとか引っ越し代だけでもなんとかならないかと思い電話しました。」
私「失礼と分かって申し上げますが、所謂、業界では事故物件というものです。
大変売りずらいとは思いますが、できるだけのことはやってみます。」
「ただこの家はお兄さん所有なのでお兄さんとも面談して書類を作る必要があります。
今日お会いできますか?別の日でも大丈夫です。」
お客様「兄は遠方にいるので会えません。土地は父の所有ですが、兄も一部もっています。父だけでなんとかなりませんか?」
私「所有者全員の意思確認と面談が必要なので、後日合わせてください。」
お客様「もっと柔軟に対応してもらえませんか?兄はなかなか会えないので・・」
私「こればかりはどうにも柔軟にできません。何か会いにくい理由でもあるのですか?」
お客様「・・・」
かなり間が空く。重たい空気が流れる。いったいなんなんだろう?
お客様「絶対だめですか?」
私「ええ、絶対会う必要があります。何か言いにくいことがありますか?」
お客様「家の恥になることです。今日はわざわざ来てくれて申し訳なかったですが、一度父と相談したうえでまた連絡させてください。申し訳ない。」
よくわからないけど今日は帰った方がいい感じ。
私「いつでも連絡してください。ただお兄様と会えないと仕事は受けることが出来ません。」
なんであんなにお兄さんに会わせることが難しいんだろう。なんなんだろうと思いながらその日は会社に帰った。
翌日。
お客様「昨日は失礼しました。父とも相談し、全部お話ししますので申し訳ありませんが、来てもらっていいでしょうか?」
私「大丈夫です。ただお兄さんとはお会いできますか?それが出来ないなら私がうかがっても無駄になりますが・・」
お客様「そのことも含めてお話いたします」
かくして、再度訪問することとなった。
お客様「ざっくばらんに言います。兄はこの世にいません。」
私「えええ。お亡くなりになったんですか?」
お客様「生きています。」
私「は~?」
この人は一体何を言ってるんだか・・
お客様「この世とは隔絶された塀の高いところ」
私「・・・・」息を飲む。
お兄さんは奥さんや子供さんに暴力をふるう人だったらしい。
ある日奥さんが子供を連れて逃げて、携帯に電話があり、帰ってこんのじゃったら家に火をつけると言われたので、奥さんが「やれるもんならやってみ、そんな度胸もないくせに」といったら逆上して本当に火をつけたとのこと。それであの家は焼け落ちたのだと。
放火は殺人と同じくらいに刑が重い。
しかしながら通常、自宅に放火した場合、近隣に迷惑が掛かっていない場合は、身内が嘆願書を検察に提出し、もう二度とこんなことはさせないことを誓約し、本人を保護監督すればなんとか実刑にならないそうだ。このケースでは逆に身内が本人に反省させるためにぜひ刑務所に入れてほしいと逆嘆願したため本当に刑務所に入れられた。
私 気を取り直し、「けれど私なんかが行って会えるものなのか?また、印鑑証明は取得できるのか?細かい部分を弁護士さんと相談させてください」と伝える。
お客様「色々とご迷惑をかけますがお願いします。」
帰路の車中で、なんかえれーことになってきたなぁ。「わしゃ刑務所なんかいきとーねーのー」とか言いながら弁護士事務所に向かう。あーそうじゃ、弁護士さんに代理で行ってもらおう。これで解決じゃ。
私「先生、所有者が刑務所に入っとるんですけど売買できますか?」
先生「そりゃできるで。本人に会っていつもの書類を作れば大丈夫じゃ」
私「先生、僕の代わりに行ってもらえませんか?」
先生「今忙しいからいけん。来月ならええで。急ぎならあんた行きゃあええが」
私「ええーー。僕が?会えるんですか?」
先生「身内の人と行きゃぁえーが、会えるで」
当日は妹さんと二人で電車に乗り片道2時間。
到着し、面談の書類を作成。
あの映画なんかでよくみる透明な板で仕切られた小部屋に入る。
ご本人が部屋に入ってくる。聞いていた年齢にプラス20歳足したような感じ。売却の意思確認。よろしく頼みますとのこと。
なんとも表現しがたい空気の重さ。隔絶された世界。
不思議な緊張感。お話自体は10分程度で終了。
帰り道、妹さんも一年ぶりに会ったけどあんなに老けて老人みたいでびっくりしたと言っていた。
その日はあまりにも疲れてしまい、何もする気が起きず帰宅。
その後、債権者にも承諾してもらい仕事は滞りなく終了。家は使えないので取り壊し、いまは分譲地になっている。
その後、お兄さんがどうなったのか、私は知らない。
あともう1軒、刑務所に入っている人と売買したが、それを書けるのはまだずっと先のこと。
以上
任意売却 事例6
事例6
場所:岡山県倉敷市
物件価格:2200万円
物件:築12年大手メーカー施工中古住宅(リフォーム済み)
ご夫婦と娘さんの2人の4人家族
お客様とは住宅ローンの問い合わせではなく、物件販売のためのオープンハウスにたまたま来ていただいたことで出会いました。
オープンハウスで物件の見学後、気に入って頂き、ご契約の段取りを始めようかと思っていた頃に奥様から住宅ローンについての相談がありました。
「住宅ローンが通るか不安です」
詳しく話を聞くとご主人様は自営業で申告を全く行っていない無申告の状態。
奥様がパートで年収190万円ほど。
この状態で銀行から見ると、ご主人様は収入がなく働いていないと判断されます。
ですので通常ですとどこの銀行に行っても通る事はないでしょう。
幸い物件価格2200万円のうち1000万円はご主人さまの親御さんから親ローンで借りれるとのことでした。
残り1200万円の融資の取付けが必要でした。
ご主人様は無申告なので銀行に全く評価されない・・・
奥様はパートなので全てのローンが組めない・・・(組めたとすれば高金利のカードローン)
自己資金が1000万円、パートだが勤続年数が長く安定的、信用情報がきれいということを交渉材料に銀行と交渉し、なんとか1200万円の融資を取り付ける事に成功しました。
その後、無事物件の購入をすることができました。
お客様から引渡しの日に「正直家が買えるとは思っていなかった。」
という言葉を聞きました。
弊社であれば家が買えないとあきらめていた人たち、ローンが通らず他社の不動産屋さんが相手にしてくれなかった方々等多数の方がマイホームを手にすることができています。
あきらめる前に是非一度ご相談ください。
ブログ始めました。
皆様こんにちは(^^)
今日からブログを始めることにしました。
なぜかというと、ホームページの順位を上げたいからです!!その理由は、任意売却を他社に頼んだあげくギリギリになってうちに頼みに来る人が年間に7人も8人もいるからです。
最初からうちに頼んでくれていたらとっくに解決出来たのに…と、いつも思うからです。
はっきり言ってうちのホームページはダサい!!
それは分かっています。けれど、依頼を受けたら本気でやる真面目さを持っています。
「今月は〇本受けた。」「先月は〇本だった。」などと、お客様を本数で数えるような業者がいます。
そんな業者に限ってホームページだけはオシャレだったりします。
残念ながら、そういう不埒な業者のカモになっている人が多いです。
そのため、依頼を受けるだけ受けて、結局何もしていないことが後で露見することも多いのです。
先日、競売入札日まであと2週間の方が相談に来られました。去年の暮れに任意売却の依頼をその業者に頼んだらしいのです。相談にくる前の日に一体どうなっているのかと問いただしたら「うちはこの仕事からおります。」
と、言って電話を切ったとのこと。たまたま取引のある債権者だったので、お客様の面前で電話をすると担当者曰く、「任意売却の申出書さえもらっていませんよ。」
とのこと。
いったいどうなっているんだろうと思います。こういう人がいたら任意売却業界全体が社会から低く見られることになるのです。
以前この業者の発言を人を介して聞いたことがあります。
「どうせ家を売らんといけんようになったもんに、社会に発信する力は無い。」要するに、ろくな仕事をしなくても後でクレームや悪口を言われないという変な自信があるそうで…。最近流行りのサイコパス的気質の人なのでしょうか。 (あなたのような人が、さっさと退場されることを望みます。)
私も最近年をとってしまい、超短期で任意売却を成立させると、どっと疲れるようになりましたので、どうか真面目な仕事をして下さるようにお願い申し上げます。
大クラ不動産は、第一にお客様のことを考えて仕事をしています。依頼を受けたら真摯に取り組んでまいりますので、何かお困りの際はぜひ一度お問い合わせください。
債権者:大手信販会社2社、公的保証会社、住宅金融専門会社、市役所 場所:赤磐市
債務者:大手信販会社2社、公的保証会社、住宅金融専門会社、市役所
場所:赤磐市
本件は私の任意売却での最短記録案件
ゴールデンウィークで世の中は休みモード全開のある日、会社の電話がけたたましく鳴る。(休み中も転送になっている)
私
「休みじゃしなぁ、出んでもえーけど、まぁ出るか」「はい、大クラ不動産です。」
Aさん
「もしもし、私Aという者なんですが、至急助けてもらいたいことがあります。これからすぐそちらにうかがいたいのですがダメですか?」
「一体何事ですか?」
「任意売却をお願いした業者から、話しが壊れたので競売になります。といって一方的に電話を切られました。」
「競売の入札はいつからですか?」
「もう始まっています。」
「えーー!今回の入札物件ですか?休み明けですぐに開札になるじゃないですか。申し訳ございませんが多分無理だと思うのでもうお引き受け出来ません。」
Aさん
「とにかく会社に行きますから会ってもらいたい。」
私
「はぁ、分かりました。」(会っても無駄なんじゃけどなぁ) 99%出来んと思うんじゃけど。
その日の夕方早速に会社にお越しになられたAさんから事情は聞いたが、手元に謄本があるわけでもなく、なんとも困った。
次の日から4日間休みにはいるし、開札は休み明け3日後であるし。
私
「Aさんまず、怒らず聞いて下さい。この件は99%まとまりません。債権者も大きな会社ばかりですから、社内の調整にも形式上時間がかかるものです。1か月前に言ってくれていたら成功したかもしれません。」
Aさん
「実は娘が結婚するので強制執行をされると本当に今は都合が悪いのです。先方の両親がうちに挨拶に来ることになっていて、なんとかこの家から娘を送り出してやりたいのです。なんとかなりませんか?」
こういうことを言われると何が何でもよしやったるわと発奮するところは父親ゆずりの良いところだと自負しています。
人間のデキは今イチなんですが。
休み明け。普段は休んだら余計に疲れたとかぶつぶつ言いながらゆったりめに会社に行ってしまうのが通例なのですが、この休み明けはシャキッと目が覚め、おうやったるわと威勢よく家を出て(妻苦笑)早速に全債権者に電話をかけまくったのでした。
昔から頭は悪いけどなんか運だけはええなぁと思ってはいたのですが、なんと債権者全社、しかも担当者までが以前に取引させてもらった人ばかり。
これはもしかしてなんとかなるかもしれない。
そんな気がしてきたのでした。
公的保証会社担当者様
「大クラさん、あんたよおー受けたな。(笑)買い手はおるんかな?」
私
「(本当は今時点誰にも見せてもないからおらんけど) それがおるんですわ。 なんとか協力してもらえませんか?」
公的保証会社担当者様
「わかった、あんたのことじゃから何とかするんじゃろ、こっちも何とかするわ。」
私
「感謝します。(買い手はあの社長に頭下げて頼んだらなんとかなる。何とかならんかったら大恥をさらすことになるで)
他債権者については皆様一様に本当に出来ますか?無理なんじゃないですか?との反応である。 あたりまえだろう。競売の申立人である信販会社にお金を振込み、まずは競売の取り下げをしてもらわなくてはいけない。
通例であるならば入札開始の前月までにお金を振り込まないと取り下げに応じてもらえない。200万円ほど必要だけど、受けた以上これは私が用意しなくてはならない。
けれど他の債権者が協力してくれないとそのお金は宙に浮いてしまう可能性も多分にある。
他の業種の人から見たら荒っぽい仕事だと思われることだろう。
もしそうなっても、男じゃねぇか、泣かんとけでいくしかない。
この日、例のあの人(僕が尊敬している人)に事情を説明し頭を下げた。
買主様
「分かった。お金はすぐ用意する。契約の準備をすぐにしてくれたらいい。」
将来こういうカッコいい商売人になりたいとつくづく思う。
そんなこんなで99%無理な案件がなんと3日間でまとまった。
奇跡じゃろう。多分Aさんは誠実な性格の人なので債権者もそんなに悪く思ってなかったこともまとまった大きな要因だと思う。
娘さんも今の実家から送りだすことが出来る。
とにかくどっと疲れた。
温泉に行く。
債権者:大手サービサー、年金福祉信用保証、市役所 場所:岡山市
債権者:大手サービサー、年金福祉信用保証、市役所
場所:岡山市
本件はお世話になっている弁護士さんからの紹介物件
若くて誠実な弁護士さんがバリバリと問題を抱え困ったお客さん達を助けてあげる姿を見ると「かっこええなぁ もっとちゃんと勉強して自分も弁 護士さんになりやぁよかったなぁ」と思うが「まぁわしの頭じゃもともと無理か?うん決まっとる無理じゃろう」と妙に納得する今日この頃である。これ自宅で 書いてるんだけど。
えーいや、うちの息子が将来人助けをする弁護士さんになってくれるんじゃなかろうかと長男の顔を見たが、う~ん顔が私そっくりなので笑ってしまった。難しいかもしれんな。
さて、先生より連絡があり「債権者から引っ越し代をもらえることを条件に任意売却の話をしてください」とのこと。
まずは先生から所有者に面談の約束をとってもらい先方を訪問した。
普通は私だけの訪問なのだが、先生も来てくれていたことに少し違和感も覚えたが理由はすぐにわかった。
お母さんがひどく取り乱していたからだ。
なんでこんなことになってしまったのか?それが辛いとずっと泣いておられる。
家を手離さなくてもよい方法が何かないですか?助けて欲しいと。もう死にたいと。
先生が「いろんな方法を考えたけど(個人版民事再生を検討したらしい)、一番最善の方法は今の時点で任意売却し、出来るだけ高く売って債務(借金)を圧縮し少なくすることです。お辛いでしょうが今を乗り切ればきっと良くなります。」
自分一人で行っていたら無駄足になるところを先生は忙しい中を事情を考えながら来てくれていたのだなと。誠実な先生だなぁと感心した。
その後ちょっと強気の売り出し価格に設定したので時間が掛るかなと思っていたが1組だけ問い合わせのあったその方が買って下さるという。
そうこの世に一人だけ買ってくれる人がいればいい。
この物件はこの世に1軒しかないのだから。
何人買いたいといっても結局は一人にしか売れない。
その後、契約前には買主の人柄がいまいち気に入らないとか色々問題はあったが無事に取引終了となった。
お母さんが新しい借家に引っ越しされた。
挨拶にうかがったおりに「新居はどうですか?」とたずねたが「前の家よりずいぶん狭くなったけど、荷物を大分処分したのですっきりしました。」と笑顔。
住めば都というけれど物が少ないスッキリした暮らしになると運気も上昇するというから捨てることは大事なんだなぁとおもった次第である。
場所:倉敷市 債権者:住宅金融支援機構、大手銀行保証会社、市役所
場所:倉敷市
債権者:住宅金融支援機構、大手銀行保証会社、市役所
11月になれば、少しずつ山々の色合いが変わり始め、年末を意識する。
今年も色々なことがあったが、1年忙しくさせていただけたのも全てお客様、家族、友人達、世間様のお陰じゃなぁ・・・とか、そんな事を考えていたら、事務 所に顔色の悪い中年男性が入ってきた。
『こちらは、任意売却をされていると聞いたので来たのですが、よろしいですか?』
『住宅ローンのことで問題があるんですね?』
『そうなんです。自営で商売をやっているのですが、景気が悪くて支払いが遅れています。
銀行に相談したけど、もう待てないと言われました。どうしたらいいのか教えて欲しい。』
と言うようなことであった。
色々お話を聞くに、今の時点で一番の問題は、ご主人が奥さんにこの件をまだ話していないということだ。ご主人は、真面目で人一倍責任感が強い人なので、どうしても奥さんに言えなかったようだ。
『どうしても奥さんに、住宅ローン延滞のことを伝える勇気がないのなら、私がご主人に代わって言いましょうか?』
しばらくの沈黙の後、ご主人は『やっぱり自分で言います。』と答えた。不安そうだった。
翌日、早速ご主人から電話があり、『どうなることかと思ったけど、家内はああそう分かったと言っただけで、取り乱すこともなく冷静でした。女は強いなあ。』
この案件については、ご本人より非常に強いリクエストがあった。
① どんな形であれ、この家に住み続けたい。
② とにかくこの家に住み続けたい。
さて、どうするか?思案六法するのが私の仕事。
頭が悪い僕もたまにはいい知恵出しますよ。
具体的にどうしたかは、色々と弊害があるので書けませんが、結果として前と同じ家に住んでいらっしゃるという事実はある。
様々な条件を1つずつクリアしても、1つのつまづきでダメになるが、今回は成功ということになりました。(まぁこういうケースで上手くいくのは諸条件が きっちり整って20%位かな。)
めでたし。めでたし。
場 所 :岡山市 債権者:大手サービサー、中堅サービサー、マンション管理組合
場 所 :岡山市
債権者:大手サービサー、中堅サービサー、マンション管理組合
ある日の事、電話が鳴り『任意売却』の相談があった。
内容は、既に他社に任意売却を頼んでいるのだが、話が一向に前に進まず、イライラしているとのこと。
しかしながら、他社に依頼されている案件を当社が横やりを入れるのも感じが悪い。
聞くと、日本人なら誰でも知っているビッグネームの不動産会社だった。
当 方:Aさん、そちらはご存知のように日本で一番しっかりしているところですからちゃんとしてくれますよ。大丈夫、大丈夫。
Aさん:いやそれが、よく分からないんだけど、中堅のサービサーさんと話がつかないと言っているんです。
当 方:配分金額がですか?
Aさん:そうらしいんです。
当 方:まあよくあることです。
それで、いくら合わないんですか?
Aさん:10万円みたいです。自分が用意出来ればいいんだけど・・・今はないから・・・
当 方:となると、仲介業者が涙を呑んで、手数料もしくは社長のポケットマネーから出すしか出所がないですねぇ・・・
Aさん:大手の会社ですから、それは絶対に出来ないと先方に言ったきりになっているらしく、その為、先方も「それではこの話はなかったことにして下さい。競売で結構です。」
と言っているらしいのです。
注)この件では、管理費・修繕積立金・水道代も滞納があり、Aさんは任意売却でこれをきちんとしたかった。
当 方:あ~困りましたねぇ。う~ん・・・それじゃもう一度その不動産会社に話をすすめる意思があるかどうか確認してください。
もうこの仕事は出来ないということであるなら、私共で後のことは処理します。
その後、2~3日経ってから、やはり大手の自分達では、こういう案件は出来ないと正式に断りがあったそうで、当社との間で専属専任媒介契約を締結して頂いた次第である。
まもなく物件は第三者へとスムーズに売却が出来、ご本人も競売を避けることが出来てほっとしたご様子であった。
全体で帳尻が合えばいいのよと思えるのは、どんぶり勘定とはいえ、中小業者の強みであろう。